最終更新日: 2024年6月17日
近年、本町において、イノシシをはじめとした有害獣による農作物への被害が深刻化しています。本編では、獣種ごとにその傾向と対策をご案内します。
○イノシシ編
箱わなで捕獲したイノシシ【左:市野々 右:棚毛】
(1)概 要
近年、本町ではイノシシの生息数が増加し、農地を荒らしたり、人家に出没するなどの被害が増えています。
食性は雑食性であり、山の中ではドングリなどの木の実、ミミズやカエルを捕食していますが、生息数の増加や耕作放棄地の拡大に伴って、人里に降りて、より美味しく高カロリーな農作物(水稲・イモ類・ユリ等の球根類・筍など)に狙いをつけるようになりました。そればかりではなく、その鋭い嗅覚を生かして、野外に放置された果樹、野菜くず、残飯等を食べた痕跡が町のあちこちで見受けられます。イノシシは生後1年半で繁殖可能となり、年1回(5~6月頃)、4~5頭の子どもを出産すると言われています。寿命は約10年と考えられており、このことからも、外敵のいない環境では増え続けてしまうことが想定されます。
また、長期に及ぶ記憶能力を持ち、餌場の記憶はもとより、餌場への侵入に成功した仲間の行動を真似るなど、学習能力の高さがこの獣種の特徴と言えます。
(2)対 策
①餌場をなくす
人里には農作物等の餌がふんだんにあり、イノシシにとって魅力的な餌場と言えます。作物だけでなく、野菜くずや残飯、ゴミなどを燃やした跡の臭いを好み、掘り返す傾向にあります。また、近隣に休耕地がある場合、絶好の隠れ家となり、人里に近づける要因となります。イノシシは本来、臆病で警戒心の強い動物ですので、餌場、隠れ家を無くし、人里に近寄らないようにすることは、獣害対策の第1条と言えます。
②防護
農作物を守るためには、農地を囲む防護柵の設置が肝要です。トタン板のような手近なものから、電気柵、金網柵等、予算や設置後の手入等を勘案のうえ導入されることをお勧めします。なお、主に電気柵については、一定の要件を満たす場合に補助を受けられるケースがありますのでご相談ください。
※電気柵の設置については、感電事故防止の観点から慎重な設置がもとめられています。
③捕獲
上記の防護だけでは根本的な解決とならないため、捕獲を行って個体数を減らすことも、獣害対策の重要事項です。捕獲にあたっては、鳥獣保護法に規定する狩猟免許が必要となります。長南町内在住の方は、免許取得補助の制度がありますのでご相談ください。
※イノシシ捕獲頭数(令和6年3月31日現在)
地区 | 長南 | 豊栄 | 東 | 西 | 合計 |
令和5年度 | 262頭 | 180頭 | 209頭 | 397頭 | 1,048頭 |
令和4年度 | 139頭 | 90頭 | 65頭 | 305頭 | 599頭 |
④もし、出会ってしまったら・・・
イノシシは本来、臆病で警戒心の強い動物です。そのため、ほとんどの場合は自分から逃げて行きますが、逃げない場合は、
○何もせず放っておく
○ゆっくりと後退し、静かにその場を立ち去る
○大声をあげたり、石を投げるなど、刺激しない
など、安全を確保してください。イノシシは身体能力が高く、牙や歯も鋭いため、
刺激してしまったために起こる事故もあります。充分に注意をしてください。
(1)概 要
ハクビシン・アライグマとも、日本古来の生物ではなく(諸説あり)、ペットや毛皮用として輸入されたものが放獣され、全国的に分布が広まっている動物です。森林、農耕地を含む里地や住宅地など、環境適応力が高く、繁殖力も高い(年1回の出産で平均3~4頭)ため、本町でも被害が増えているところです。果樹やトウモロコシを中心とした畑の作物、また小動物などの動物質も捕食し、住み家として人家に侵入するなどの被害がみられます。
(2)対 策
ハクビシン・アライグマによる被害の対策として、小型の箱わなによる捕獲が効果的です。
町では、外来生物法に基づく長南町鳥獣被害防止計画を策定し、両獣種の捕獲を進めていますので、箱わなの設置についてはご相談ください。
また、イノシシと同様、屋外に放置した野菜くずや残飯などが、動物をおびき寄せる原因になっていることが考えられます。こうした無意識の餌付けがないか、いま一度、周囲の環境を見渡していただきますよう、お願いいたします。
(3)類似した動物の見分けかた
鳥獣被害防止総合対策交付金実施要綱別記1第6の1(5)及び第6の2(1)の規定により次のとおり公表します。
(5)被害防止計画の公表について
対象鳥獣:イノシシ、アライグマ、ハクビシン、ニホンジカ、キョン、カモ
計画期間:令和6年度~令和8年度